病気/伝染病-1/ヘモバルトネラ

猫伝染性貧血

ヘモバルトネラという病原体が赤血球の表面に付着して赤血球をどんど ん破壊していくために貧血してしまう病気です。症状は、貧血発熱ひ 臓のはれがありますが、血液検査でヘモバルトネラを見付ければ診断 は確定します。
治療はある種の抗生物質を使用したり、猫の状態により 輸血輸液をします。早期に治療を始め、合併症がなければ助かることが 多いでしょう。

 発病原因
ヘモバルトネラの病原体を持っていてもだいたいは発病しないで不顕性 感染でいます。
一説によると、ほとんど全部の猫が持っているともいわれ ます。それなのになぜ発病しないか(逆に発病するのか)は今後の研究 を待たねばなりませんが、抵抗力が落ちたような状態のときに発病して くるものと思われます。

 血液は赤い?
血液が赤いのではなく、赤血球という丸く中央がくぼんだ細胞が多数 あり、うすい膜で覆われ、その中に赤い色素を含むため赤く見えます。 その膜が何等かの原因で破れると赤血球内の赤い色素が漏れてしまい ます。これを「溶血」といいます。

病気/伝染病-1/猫汎白血球減少症

猫伝染性腸炎、猫ジステンパー (Panleucopenia)

2ー7日の潜伏期の後、突然吐き気と高熱があり食欲も廃絶し、腹痛の ためじっとうずくまったまってしまいます。死亡率は高く、子猫ではな おさらです。下痢(時として血便)もみられます。
原因はパルボウイル スという病原体です。腸炎症状と共に血液中の白血球を極端に減少させ るため、汎白血球減少症との名がついてます。伝染力もかなり強いため、 免疫のない同居猫はのきなみ感染してしまう可能性があります。

 治療
嘔吐があり食欲が全くなかったらただちに動物病院につれていくことで す。
人と同様で、ウイルスに対して効果のある薬剤はありません。です から嘔吐や腸炎による脱水を改善し、細菌の2次感染を防ぐという療法 をとります。その猫自身で抗体をつくってくれるまで、なんとか生命を 維持し体力を温存することを目的とした対症療法になります。
多量の電解質が失われるため吐物の量は少量であっても、脱水の程度は かなり重大なものになっています。

 経過
通常5日から10日を持ちこたえれば快方に向かっていきますが、それ までに消耗した体力とウイルスの毒力の勝負です。初期の高熱は2日も すれば平熱にさがりますが、嘔吐は続きます。嘔吐の回数は1日十数回 にも及ぶことがあります。嘔吐が止まって食欲が充分出だせば峠は越え たと言えるかも知れません。
妊娠中の母猫がこの病気になったり、生後 間もない時期に感染を受けたりすると、子猫は小脳の発育不良になるこ ともあります。

 予防
この病気に有効なワクチンがありますので是非子猫の時から獣医師の 指示通り接種されることをお勧めします。もし発病した場合の治療費は 予防注射代の10倍以上にもなってしまうかも知れません。その上必ず 治りますとは言えないのがこの病気です。予防できる病気は予防してお いてあげたほうがいいと思います。

さらに
このウイルスは”増殖の盛んな組織”を好んで侵すという性質がありま す。つまり小腸粘膜の基部、骨髄などです。小腸粘膜基部で細胞を破壊 していきますので、その上にある腸絨毛を根こそぎ剥離してしまいます。 他の腸炎より被害が著しいのはこのためです。
また骨髄では赤血球、白血球、血小板などを作っていますがウイルスにより作れなくなります。 白血球、血小板の寿命は数日しかありませんが赤血球の寿命は約60日 (人や犬の約半分)あります。このため白血球は減少するが赤血球はさほ ど減りません。
このウイルスは乾燥状態にあっても、1年以上も生存する ほど抵抗性が強いものですから人が靴の裏にウイルスを付けて運ぶこともあ りますので、外に出ない猫も決して安全とはいえません。
なお消毒薬は、 ブリーチ、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤が有効です。


病気/伝染病-1/伝染性鼻気管炎

猫の「かぜ」- FVR(Feline Viral Rhinotracheitis)

猫の「かぜ」と呼ばれる病気にはいくつか病原体が知られていますが この中でFVRは、猫のヘルペスウィルスが原因で起こる病気です。
症状として涙、目やに、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、よだれ等がよく 見られ発症と同時に発熱し、このため元気も食欲もなくなります。 治療が遅れると死亡する事もあります。 ウィルスは、くしゃみ、鼻水などにより空気中にまき散らされるので 他の猫と一緒にしないようにして下さい。


病気/伝染-1/カリシウイルス感染症

猫の「かぜ」− カリシウイルス感染症(FCI)(Feline Calicivirus Infection)

この病名は原因病原体であるカリシウイルスによる感染をそのまま 表したものです。
症状はいわゆる「かぜ」で、ほぼFVR(伝染性 鼻気管炎の項参照)と同様、発熱、元気・食欲低下と、目やに、鼻 水などですが、こちらの場合舌に潰瘍ができたり、肺炎を起こす事 もあります。

このような急性のウイルス病では、感染してから数日 で症状がでて、1週間目位からは回復に向かいます。 したがって、 この病気も含めてウイルス感染症の治療は、症状を緩和し猫が自分 の力で病原体に打ち勝つのを助けることが目的です。


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