予防接種

 ワクチン
汎白血球減少症のワクチンは”不活化”という死んだウイルスを使いますが、鼻気管炎カリシウイルスはいわゆる”生ワクチン”で、病気を起こす力を弱めた”弱毒生ウイルス”という生きたウイルスを使っています。
この他に最近発売された猫白血病ウィルスのワクチンは、”不活化”と、ウィルスの一部分の蛋白成分を使った“サブユニット”というワクチンがあります。

副作用について
デリケートな猫は熱を出したり、元気や食欲がなくなったりする症状が出ることもありますが、安静にして病院に連絡をとりながら様子を見てあげれば1ー2日で治まります。
このことは過度に恐れないで下さい。人間の予防接種でも、注射の日は激しい運動や入浴は控えるように注意されますね。猫でも同じことがいえるのです。
恐れるあまり接種しない方がよほど危険なことですし、防げる病気は防いであげるのがかわいい猫にしてあげられる最善の方法だと思います。

猫の伝染病は悪性なものも多いので予防接種すべきワクチンは、すべて受けさせるべきです。知らなかったならともかく、これを読んだ人でまだ受けてない方は、すぐに予防接種を受けに行って下さい。接種するチャンスは元気なうちの今なのです。

 なぜ予防接種が必要か?
猫汎白血球減少症は恐ろしい伝染病で、かかった場合には手当が遅れたりすると、子猫の場合死亡することもあります。
また猫の呼吸器疾患、猫伝染性鼻気管炎猫カリシウイルス感染症はかぜのような症状を引き起こし、子猫が食べられなくなったりして衰弱したり、また激しい場合には肺炎を起こして死亡することさえあります。
ですから、比較的
抵抗力の低い子猫の時期を安全に過ごすためには、ワクチンは絶対必要
だといえるでしょう。

それからこの猫伝染性鼻気管炎ウイルスと猫カリシウイルスは、症状が治まった後でも、猫の体の中に居座ることが知られています。ですからワクチンを接種していない猫は、運よく死ぬことがないにしても、一度これらのウイルスに感染すると、一生これらにつきまとわれて、調子の悪いときにはまた発病したり、他の猫にウイルスを移したりします。

こうならないためにも、ぜひとも感染する前にワクチンを接種することが重要です。子猫が生まれる時、子猫が家にくることになったとき、早めに獣医師に相談しましょう。

それでは一度かかってしまった猫にはワクチンは必要ないのでしょうか?
やはり接種すればそれなりの効果が期待できます。ワクチンでいつも免疫を高めておけば、ウイルスを体外にまきちらしたり、自分で病気を繰り返したりすることが防げます。

それからもう1つ。地球レベルでの考え方です。ウイルスは猫の体を離れてはそう長く生存できません。したがって地球上の猫が、みんな免疫を持ってしまえば、ウイルスは行き場所を失い、死んでしまいます。自分の猫を守るだけでなく、地球上の猫族全部を守るため、1頭でも多くの猫にワクチンを接種しましょう。人間の天然痘もこのようにして撲滅されたのです。

以上のワクチンは、全ての猫に必ず接種する事をお勧めしますが、最近接種できるようになった猫白血病ウィルスワクチンについてはこのウィルスに感染する危険性のある猫のみ接種するようにすればよいでしょう。
感染する危険性のある猫とは、
猫同士接触する可能性がある猫と言う事になります。例えば外に出る猫とか、外から猫が入ってくる家の猫とか、室内だけで飼われている猫でもすでに家の中に猫白血病ウィルス陽性の猫が同居している場合などです。
室内だけで飼われていて他の猫と全く接触する事がない猫は、接種しなくてもよい訳です。

 予防接種
現在猫で行われている予防接種では、
  1. 猫汎白血球減少症
  2. 猫伝染性鼻気管炎
  3. 猫カリシウイルス感染症
の3種のウイルス病に対する混合ワクチンと
  1. 猫白血病ウィルス
に対するワクチンとがあります。

子猫の時から正しいスケジュールによる予防接種が行われれば、病気に対する免疫ができ、病気を防いでくれます。
ただし、伝染性鼻気管炎ウイルスとカリシウイルスは伝染力が強く、鼻の中の粘膜につくとすぐに増え始めるため、ワクチンを接種してあっても、どこかで毒力の強いウイルスに感染して、軽い症状が見られることがあるかも知れません。ただし症状が長く続いたり激しくなったりすることはないでしょう。

普通子猫は生まれた時に飲む初乳というものを通して親ゆずりの免疫をもらいますが、これは長くても2−3ヶ月しか続きません。また母親自身が免疫を持っていなければ子猫は免疫を受け取れませんし、初乳を飲まなかった子猫もいるため、どれくらいまで子猫が守られているかを判断することは難しいものです。
通常は、子猫の免疫が切れると思われる2−3ヶ月齢で第1回目の接種を行い、その3週間−1ヶ月後に第2回目のワクチン接種を行います。さらに約1年ごとに1度の追加接種を受けてください。

また集団飼育などで、回りにウイルスを持った猫がいそうで、いつ親ゆずりの免疫が切れて感染してしまうか心配な場合や、特に大切な子猫の場合には、もっと早くから何回も接種する方法や、母親の免疫を高める方法もあるので、獣医師に早めに相談しましょう。


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